「どうせ私なんて」
「本音を言うと嫌われる気がする」
「人と親しくなるほど苦しくなる」
がんばっているのに、どこか満たされない。
人間関係が深くなるほど不安になる。
もしそんな感覚が続いているなら、
それは“あなたの性格の問題”ではないかもしれません。
その生きづらさは、
育った環境に適応してきた結果かもしれません。
この記事では、公認心理師の立場から
アダルトチルドレンの特徴・背景・回復の道筋を、できるだけわかりやすく解説します。
アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレンは、子どもの頃に不安定な家庭環境にさらされ、大人になってもその心の傷を抱えたままに生きづらさを抱えている人々です。
元来,「adult children of alcoholics」,すなわちアルコール依存症の親のある家庭に育った成人を意味したが,現在では,アルコール依存以外にもギャンブルや夫婦不和などの問題を有し,本来の機能を果たしていない「機能不全家庭」に育った者も含んでいる。 両親が厳し過ぎたり,過度に期待をかける場合などでも,それにより子どもが息苦しさを抱えて生きるときには,その家庭は「機能不全家庭」となることがある。このような家庭に育った者は,心に深い傷を受けたまま成長し,周囲が期待したとおりに振る舞おうとする,心から楽 しむことができないなどの特徴が表れるとされている。
厚生労働省 厚生白書(平成9年版)
現在ではより広い意味で、
機能不全家族の中で育ち、大人になってからも対人関係に困難を感じやすい人を指して使われています。
ここで大切なのは、
✔ 医学的な診断名ではない
✔ 病気ではない
ということです。
アダルトチルドレンとは、
「問題のある人」ではなく、
厳しい環境に適応してきた人なのです。
アダルトチルドレン尺度
アダルトチルドレンの傾向を把握する指標として「アダルトチルドレン尺度」があるので、自分の特徴がどのくらい当てはまるかチェックしてみてください。
- 私は正しいと思われることに疑いを持つ。
- 私は最初から最後まで、ひとつのことをやり抜くことができない。
- 私は本音を言えるようなときに嘘をつく。
- 私は情け容赦なく自分を批判する。
- 私は何でも楽しむことができない。
- 私は自分のことを深刻に考えすぎる。
- 私は他人と親密な関係を持てない。
- 私は自分が変化を支配できないと過剰に反応する。
- 私は常に承認と称賛を求めている。
- 私は自分と他人は違っていると感じている。
- 私は過剰に責任を持ったり過剰に無責任になったりする。
- 私は忠誠心に価値がないことに直面しても、過剰に忠誠心を持つ。
- 私は衝動的である。行動が選べたり結果も変えられる可能性がある時でも、お決まりの行動をする。その衝動性は、混乱や自己嫌悪や支配の喪失へとつながる。そして混乱を収拾しようと、過剰なエネルギーを使ってしまう。
各項目に対して、はい(2点)、どちらでもない(1点)、いいえ(0点)で合計し、
12点以上の方はアダルトチルドレンに該当する可能性が高いとされています。
12点以上ある場合は精神科医または臨床心理士との面接を行うことが望ましいようです。
※診断ではなく、あくまでも1つの参考程度に考えておくこと良いようです。
アダルトチルドレンが抱える悩み

アダルトチルドレンは病気ではありませんが、子どもの頃の家庭環境が影響し、自己肯定感が低く、自分のことを好きになれないことや、他者との関係の構築が難しく、いつも人の顔色を見てビクビクと過ごし、自分の意見や気持ちを表現できないなど心理面、人間関係、仕事や学校など日常生活の様々な場面で課題が困り感で生じやすいです。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 心理的症状 | ・自分には価値がないと思ってしまう ・何に対しても自信が持てない ・孤独感 ・気分の落ち込み ・感情のコントロールができない(急に泣く・怒るなど) |
| 人間関係 | ・いつも人の顔色をうかがってしまう ・自分の本音が話せない(相手が望む言葉しか言えない) ・信頼できる人がいない ・人と親密になることを恐れる ・支配的 or 従属的な極端な人間関係になる |
| 仕事や学校 | ・完璧主義 ・頼まれたことをNoと断ることができない ・集中力の低下 ・パフォーマンスの低下 ・過度な責任感 |
しかし、これらの生きづらさは、アダルトチルドレンの方自身が悪いわけではありません。
自己否定的な考え方や人の顔色を過度に見てしまうのは機能不全家族の中で生き抜いていくために必要な生存戦略なのです。
この生存戦略は苦しみを伴うものであることや、今の生活にはミスマッチな方法であることが生きづらさにつながっているのです。
なぜそのようなパターンが身につくのか
背景には「安心できる環境の不足」があります。
- 親の機嫌が読めなかった
- 家庭内に緊張感があった
- 子どもなのに大人の役割を担っていた
- 感情を出すと否定された
その結果、
「波風を立てない」
「自分より相手を優先する」
「感情を抑える」
という戦略が身につきます。
それは、弱さではありません。
その環境の中で、できる限り賢く生きようとした結果です。
回復の道筋 ― 変化はどのように進むのか
アダルトチルドレンの回復は、
突然大きく変わるものではありません。
多くの場合、次のようなプロセスをたどります。
「私はいつも人に合わせているかもしれない」
まず、自分の反応パターンに気づきます。
これまで“当たり前”だったことが、少し違って見え始めます。
それが幼少期の環境に適応するためだったと理解します。
ここで少し、自己否定が緩み始めます。
「弱かった」のではなく、「必要だった」と思える瞬間が生まれます。
怒りや悲しみ、寂しさに触れる段階です。
これまで感じないようにしてきた感情に居場所を与えることで、
内側の緊張が少しずつほどけていきます。
安全な関係の中で、
- 小さく本音を言ってみる
- 少しだけ断ってみる
こうした経験を積み重ねます。
「関係は壊れるもの」という前提が、少しずつ揺らぎます。
これまでは自動的に「合わせる」しかなかった場面で、
自分の気持ちを確かめてから動けるようになります。
感情を抑えるだけでなく、
関係を壊さずに伝える方法も持てるようになります。
回復とは、別人になることではない
アダルトチルドレンの回復は、
性格を変えることではありません。
これまでの自分を否定することでもありません。
これまでの自分を理解しながら、
今の自分に合う生き方を選び直すこと。
それが、回復の本質です。
時間はかかるかもしれません。
けれど、変化は起こります。
アダルトチルドレンのカウンセリング効果

幼少期や青年期に不安定な環境や虐待を経験した人々は、その過去の経験が現在の心理的な健康に影響を与えることがあります。
そのような状況に置かれた人々にとってカウンセリングは有効な対処法の一つです。
福岡市中央区薬院にあるカウンセリングオフィスplumでは、
単に悩みを聞くだけではなく、
✔ 幼少期の体験と現在のパターンの関連を丁寧に整理
✔ 無意識の行動習慣・思考パターンを言語化し理解
✔ 安全な関係性の中で感情の扱い方を練習
✔ 自分を尊重する新しい選択肢を育てる
といったプロセスを通して、
過去の体験が現在の生きづらさにどのように影響しているかを理解し、変えていくサポートを行っています。
これらの変化は単なる「気持ちの切り替え」ではなく、
根本的な安心感の再構築や関係性の学び直しを促すものです。
アダルトチルドレンにお悩みの方はカウンセリングを受けてみませんか?
アダルトチルドレンでお悩みの方は一人で悩まずに、当オフィスへご相談ください。
公認心理師・臨床心理士の資格を持つ心の専門家があなたの心の声に耳を傾けます。
過去の影に縛られず、未来を明るく切り拓くために、今日から行動しましょう。




