抑うつ感情や気分の落ち込みが強い方々とのカウンセリングの中で、共通する思考パターンが見えてきます。
それは何だと思いますか?
「真面目な性格」や「ネガティブ思考」が共通点の一部であることは間違いありません。
今回、特に強調したいのは、自分自身へ求めるハードルが高く、過度なプレッシャーにより苦しむ人々の多さです。
今回は「何事にもいつも全力で取り組むべきだ」と必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまう方々が増えていることについてお話しします。
「いつも全力」の裏に潜む危険性
「いつも全力」という姿勢は、周囲からは努力家と思われ、良い評価を得やすいかもしれません。
その反面、自分が抱えているプレッシャーに気がつかず、自分自身を追い詰めやすい考えです。
この考えは、物事を捉えるための視野が狭くなり、目の前のことだけしか見えなくなり、全体像を見失ってしまうことを引き起こします。
心の視野が狭くなると、悲観的な発想しか思いつかない“心理的視野狭窄”状態を招いてしまいます。
心理的視野狭窄により、自分の問題や失敗など、うまくいかないことばかりに気が向き、自分の良いところや上手にできていることが見えなくなります。問題の解決策が「死ぬこと」しか思いつかないほどの思考状態に陥ってしまう方も実際にいるのです。
このような傾向になりやすい人は、例え90点の結果だった場合でも、10点間違えたことについて思い詰めてしまいます。極端な方は100点じゃないと0点と同じだと考えてしまいます。
心理的視野狭窄を防ぐには
心理的視野狭窄を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか?
心の視野を広く保つために大事なことは、100点ではなく、60〜70点ほどの結果でも十分であると認識し、「ほどほどの自分」を受け入れられるようになれることです。
思い描く理想に向けて努力できることはとても素晴らしいです。
しかし私たちは完璧じゃないので、いつも100点を取ることは現実的ではありません。100点(理想の結果)に届かなかったとしても、そこまでに至る過程や努力は決して価値のないものではないはずです。
私たちは皆、得意なことと苦手なことがあります。それが自分自身の一部で、それを認めることが大切です。自分を完璧な存在とは思わず、「成功する自分」だけでなく「失敗する自分」も受け入れることで、心の視野が狭くなるのを防げます。
心の余裕を持つには
心の視野を広げるためには、セルフケアやストレスマネジメントが必要となります。自分の心と体の状態を適切に観察し、必要な休息やリラクゼーションを取り、趣味や楽しい時間を持つことで心身がリフレッシュでき、心にゆとりが持てるようになります。
日々の生活の中で、楽しいことや好きなことを見つけてみてください。読書が好きであれば、自分の好きな本を読んでみてください。映画や音楽が好きなら、それを楽しむ時間を持つことです。趣味や楽しみを持つことで、心に余裕が生まれ、視野も広がります。
さらに、一番大事なのは、「つらい時は一人で抱え込まない」ことです。
困り事やストレスを一人で抱え込むと、心の視野が狭くなりネガティブ思考が加速しやすいです。
そんな時は、信頼できる友人や心の専門家に相談して、視野を広げ、問題解決のためのサポートを受けることが大切です。新たな視点やアイデアを得ることができるかもしれません。
そうすることで、実際の問題よりも大きいプレッシャーを自分自身にかけていたことに気づき、自分が思っていたよりも、”何とかなりそう”と感じることや、”思っていたより大きな問題ではない”と気づきを得ることになるでしょう。
まとめ
「いつも全力」が理想とされる社会ではありますが、心の健康を考える上では必ずしも良いとは限らず、心理的視野狭窄を引き起こす可能性があります。
全力で取り組むことも大切ですが、時には息抜きも必要です。
満点ではなく、60〜70点の結果でもOKという心持ちで、自分自身の心と体を大切にし、視野を広く持つことが、長期的に見てあなたに良い結果をもたらすことになるでしょう。
そのためにはセルフケアを実施し、ストレスマネジメントを学び、辛い時は一人で抱え込まずに相談することがポイントです。
人生はマラソンのようなものです。
常に全力疾走するのではなく、自分にとっての適切なペース配分を意識して、全力疾走することもあれば、時に補給(休憩)をしっかり行うことが、長く走り続ける秘訣ではないでしょうか。
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