自己肯定感が低くて苦しいときに ―心を整える“加点思考”という方法

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「どうして私は、いつもうまくできないのだろう」

「もっと頑張らなきゃ」

「こんな自分じゃダメだ」

そんな風に、自分を責めてしまう瞬間はありませんか。

カウンセリングでも、こうした声をよく耳にします。

多くの方が「自己肯定感が低いから苦しい」と話されますが、実は“低いこと”そのものが問題なのではありません。

本当の苦しさは、低い自分にとらわれてしまい、良い部分やできていることが見えなくなっていることから生まれるのです。

この記事では、そんな心を整えるための視点として、「減点思考」と「加点思考」についてお伝えします。

目次

はじめに:「高めなきゃ」と思いすぎるほど、見えなくなるもの

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「自己肯定感を高めよう」という言葉は、テレビやSNSでもよく目にします。

もちろん、自分を大切に思えることは素晴らしいことです。

けれども、実際のカウンセリングの現場で多いのは、

「自己肯定感が低いから私はダメだ」「もっと高めなきゃ」と頑張るあまり、かえって自分を苦しめてしまっている人が少なくありません。

「高めなきゃ」と思うほど、“今の自分では足りない”という感覚が強くなり、

良いところを見つけようとしても、「まだまだ」と否定してしまうのです。

自己肯定感が低い状態に執着していると、「できていないところ探し」ばかりが習慣化し、心の視野がどんどん狭くなっていきます。

減点思考の落とし穴

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自己肯定感が低いと感じている人に多いのは『減点思考』です。

「ここができなかった」

「また失敗した」

まるで赤ペンで間違い探しをするように、自分を評価してしまうのです。

振り返ること自体は悪いことではありません。課題に気づけるのは成長できる証です。

でも、減点だけを見続けると、「できていない自分」ばかりが目に入り、

本当はたくさんある“できている部分”が見えなくなってしまいます。

それは、真っ白な紙にある小さな黒い点ばかりを見つめて、白い部分を忘れてしまうような状態です。

解決への道のり:大切なのは「加点」

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減点だけを見ていると、自分の努力や前進を過小評価してしまいます。

けれども、加点の視点を取り戻すと、ものの見方が少しずつ変わっていきます。

私たちは、できなかったことの裏にある「できていたこと」「大切にしていた気持ち」を見落としがちです。

でも実際には、減点の陰にこそ“人の良さ”が隠れているのです。

たとえば、こんな場面はありませんか?

「子どもに強く言ってしまった(減点)」
 → それだけ真剣に向き合っていた(加点)
 → 冷静になってから「ごめんね」と言えた(加点)

「友人の相談にうまく答えられなかった(減点)」
 → 相手を傷つけないように言葉を選んでいた(加点)
 → 最後まで話を聞こうとしていた(加点)

「今日は寝てばかりで何もできなかった(減点)」
 → 自分の疲れに気づき、休むことを選べた(加点)

「あの人みたいにうまくできない(減点)」
 → 人の良いところに気づけている(加点)
 → 自分も少しずつ前に進もうと思えている(加点)

減点だけを見ると、「ダメな自分」しか残りません。

でも、加点を合わせて見ると、“できていなかった自分”の中にも確かに良い部分があると気づけます

実践:加点を育てるシンプルな方法(3 good things)

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加点を見る習慣づけとしておすすめなのが、研究でも効果が示されている 「3 good things(スリー・グッド・シングス)」 です。

【方法】

  1. その日にあった「よかったこと」「嬉しかったこと」「できたこと」を3つ書き出す
  2. 小さなできごとでOK(コーヒーが美味しかった、笑顔で挨拶ができたなど)
  3. 毎日続ける

例えば

「会議で意見を言えた」

「友達からLINEがきた」

「夕食を美味しく作れた」

といった小さな出来事で十分です。

“よかったこと”を探すことで、減点ばかりの視点から少しずつ離れ、

「自分の中にも確かにある“できている部分”」を見つける習慣が生まれます。

続けるコツは「完璧を目指さない」ことです。

3つが難しい日は1つでも構いません。寝る前の時間だけでも、自分の“加点”に目を向けてみましょう。

見つからない日があっても大丈夫

それでも「よかったことが一つも見つからない」と感じる日があるかもしれません。

それは「やっぱり私には良いところが一つもないんだ」ではなく、

長年の減点思考がクセになっているからです。

もしかすると、過去に「頑張らないと認めてもらえなかった」「失敗してはいけない」と感じた経験があるのかもしれません。

そんなときは、一人で頑張りすぎず、誰かと一緒に考えてみましょう。

信頼できる人やカウンセラーと話すことで、見えなくなっていた加点が少しずつ浮かび上がってきます。

まとめ:問題は「低さ」ではなく「良さを見失うこと」

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自己肯定感が低いこと自体が悪いわけではありません。

本当に問題なのは、「低い自分」にとらわれて、

“良い部分”や“できていること”が見えなくなっていることです。

減点ばかり見ていると心はどんどん窮屈となります。

でも、加点に気づけるようになると、自分の見え方がやさしく変わっていきます。

「できなかったこと」も、「できたこと」どちらもあなたの一部です。

どちらかを否定せず、両方を受け入れながら自分を見つめること。

それが、自己肯定感を“高める”のではなく、“取り戻す”という、本当の意味での回復につながります。


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